二層うだつの町並みから50mほど西に入った住宅地の中につるぎ町の家は計画された。
計画地のすぐ隣にはつるぎ町指定有形文化財である旧永井家庄屋屋敷があり住宅地の中で
ありながらとても静かな佇まいを見せている。
しっくい壁に杉板といった情緒ある街並み、その環境に馴染むよう切妻屋根の家を高さを変えて
二棟並ぶように配置。外壁はしっくい塗りと杉板貼。
昔ながらの街並み、道路沿いには連棟に連なる家々、ぽつりぽつりとその隙間隙間に路地がある。
道路より母屋の横を抜けて家に帰る。
狭い路地を抜けて広がる庭をイメージしその二棟は敷地に対して対角に配置。
その間を土間リビングが繋げてくれる。ガラスに囲まれた土間リビングは
二棟をつなぐ役割の他に表の庭と裏の庭をつなげる役割を持つ。路地裏に入った感覚でありながら
開放的に広がる庭。外的な内空間を持つ土間リビングは伝統ある街並みの中、新しい路地裏空間の可能性
を見せてくれた。
■建築地 :徳島県美馬郡つるぎ町
■用途 :住宅
■構造・規模:木造2階建て
■敷地面積 :512.57 m2
■建築面積 :111.76 m2
■延べ床面積:139.02 m2
■1階床面積 :115.84 m2
■2階床面積 : 23.18 m2
■撮影 :冨田英次