計画敷地は様々な木々により覆われていた。
そこへ、輸送用コンテナを6台利用しアトリエを計画する。
自ずと木々の伐採伐根が必要となる。
一見この行為は負のイメージを連想させるが地元の人達は違う。
聞くと、木々に覆われた地面の下には何十年と今か今かと新しい命が待ち構えていると言う。それを聞き抵抗なく計画を進めることができた。
とは言え、無計画に建築をしてはいけない。
敷地に対して、できる限り土の見える部分を作るためコンテナをアトリエに対してランダムに配置し、その隙間から木々の命が芽吹き、また木々に覆われることを考えた。
アトリエは木造とし、外壁は杉板貼。内部の柱・梁は現しとし木で作ることを意識した。将来木々で覆われた際に違和感なく馴染むことを考えた。
現しとなる木部の塗装は自然な木目が生かせることと、木々に覆われ影となった時に陰となる色に注意を払った。
完成一ヶ月後に再来した際、地元の人達が言った通り新しい命がまさに芽吹いていることに感動を覚えた。
■建築地 :関東
■用途 :アトリエ
■構造・規模:木造平屋建て
■敷地面積 :563.82 m2
■建築面積 :146.93 m2
■延べ床面積:129.12 m2
■1階床面積 :129.12 m2
■協力 :垣内純 Ka一級建築士事務所
■撮影 :市川かおり