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人が自然と引き寄せられる場所 ―「間取り」だけでは生まれない空間

2026年04月23日

人が自然と引き寄せられる場所 ―「間取り」だけでは生まれない空間

 

いまは、家の間取りを簡単に見ることができる時代です。

スマートフォンで検索すれば、注文住宅の間取り例や住宅のアイデアが数多く表示されます。
SNSでも「30坪の間取り」「家事動線の良い家」など、さまざまな住宅の間取りが日々共有されています。

少し前までは、住宅展示場や住宅雑誌が主な情報源でした。
しかし今では、ネットを開けば数えきれないほどの間取りを見ることができます。

それはとても便利なことです。
多くの事例に触れることで、住まいの可能性が広がる面もあります。

ただその一方で、こんな声を聞くことも少なくありません。

「間取りを見すぎて、何が良いのかわからなくなりました」

情報が増えたことで、住まいの計画が楽になる反面、
かえって迷ってしまう人も増えているように感じます。

家づくりの情報が多すぎて迷ってしまう背景については、こちらの記事でも触れています。


SNS時代の家づくりで、もう一度「建築」を考える

 

 

便利な間取りと、機能で分けられた空間

 

最近の住宅はとても合理的です。

家事動線を短くした間取り。
収納をまとめたファミリークローゼット。
ランドリールームやスタディスペース。

どれも暮らしを考えてつくられた、とても良いアイデアだと思います。

ただ、機能を整理していくほど、住宅の空間は少しずつ用途ごとに分かれていきます。

  • 料理をする場所
  • 洗濯をする場所
  • 収納する場所
  • 勉強する場所

それぞれに役割が与えられ、暮らしはとても効率的になります。

しかしその一方で、住宅の中に用途の決まっていない場所が少なくなることもあります。

ただ座る場所。
ただ外を眺める場所。

そうした「居場所」は、効率の中ではなかなか生まれにくいものでもあります。

実際には、同じ間取りでも土地の条件によって住まいのあり方は大きく変わります。
その点については、こちらの記事でも詳しく書いています。


その土地、本当に家が建つ?

 

 

ある住宅で感じた「引き寄せられる場所」

 

私が好きな建築家のひとりに、広瀬鎌二さんがいます。

その代表作のひとつに、上小沢邸という住宅があります。

決して大きな住宅ではありません。

平面の中央には水回りを中心とした小さなコアがあり、キッチンと一体になった壁が空間の骨格をつくっています。

その周囲に、暮らしの場所が広がっていくような構成でした。

天井は特別高いわけではなく、むしろ少し低く感じるくらいです。
しかしその天井が外へ伸び、軒となって庭へとつながっていきます。

印象的だったのは光でした。

内部は決して強く明るいわけではないのですが、その先にある大きな開口から外の明るさがとても印象的に感じられます。

そして気がつくと、自然とその開口のそばに引き寄せられている。

用途が決まっているわけではないのに、そこが居心地のいい場所になっている。

そんな空間でした。

こうした「空間の感じ方」から住まいを考える視点については、こちらの記事でも書いています。


イメージから始まる住まいの考え方

 

 

間取りではなく、居場所という視点

 

住宅を「間取り」として考えると、

  • 何帖の部屋か
  • どんな動線か
  • どれだけ収納があるか

といった話になります。

もちろんそれも大切な要素です。

ただ、建築として住まいを考えるとき、もう一つ大切な視点があります。

それは人がどこに居場所を見つけるかということです。

光の入り方。
天井の高さ。
外とのつながり。

そうした要素が重なり合うことで、人が自然と引き寄せられる場所が生まれます。

その場所は、図面の間取りだけではなかなか表現できません。

しかし実際に暮らし始めると、そうした場所が住まいの心地よさをつくっていることに気づきます。

 

間取りを探す前に考えたいこと

 

SNSで間取りを見ること自体は、決して悪いことではありません。

多くの事例を見ることで、住まいの可能性が広がることもあります。

ただ、間取りを探す前に一度だけ考えてみてほしいことがあります。

それは自分たちはどんな場所で過ごしたいのかということです。

明るい場所なのか。
落ち着いた場所なのか。
外とつながる場所なのか。

そうした暮らしのイメージが見えてくると、間取りはそのあとから自然と形になっていきます。

 

間取りから始まるとは限らない

 

住まいの計画は、

  • 間取り
  • 面積
  • 機能

といった要素から始まることもあります。

しかし、ときには

光の入り方。
居場所の感覚。

そんな空間のイメージから始まることもあります。

間取りを探すことに少し疲れてしまったときは、視点を変えて「どんな場所で過ごしたいのか」を考えてみるのもいいかもしれません。

そこから、自分たちらしい住まいのかたちが見えてくることがあります。

 

コンテナデザイン きしもとたかのぶ

 

家づくりの進め方や考え方については、こちらの記事も参考になります。


建築家と土地を探すという選択

 

 


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はじめて家づくりを考える方には、こちらの記事もおすすめです。


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