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HERE ARE THE ARCHITECTURAL WORKS DESIGNED BY
CONTAINER DESIGN TAKANOBU KISHIMOTO
IN MANY PARTS OF JAPAN.

作品からは見えないもの。|家の写真だけではわからない、建築家の仕事

2026年09月11日

 

最近、家づくりについて話をする機会があり、改めて考えたことがある。

どこに家を頼むかを探すとき、まず目に入るのは、やっぱり家の写真だと思う。

外観だったり、素材だったり、窓のつくり方だったり。
写真に写っている空間の雰囲気から、
「この家、好きだな」
「こういう感じがいいな」
と感じることもある。

それは、ごく自然なことだと思う。

ただ、設計する側から見ていると、完成した家の写真には、その家がそこにある理由の多くが写っていない。

 

 

写真に写るもの、写らないもの。

 

完成した家の写真には、建物の形が写る。

窓の位置も、素材も、屋根の形も、庭とのつながり方も写っている。

けれど、

なぜ、そこに窓をつくったのか。
なぜ、この形になったのか。
なぜ、この素材を選んだのか。

そこまでは、写真だけではわからない。

その家には、そこに暮らす人がいる。
その人たちの暮らしがあり、その土地があり、周囲の環境がある。

予算や法的な条件もあるし、打ち合わせの中で出てきた何気ない言葉が、設計のきっかけになることもある。

そういうものを一つずつ受け取りながら、建築は少しずつ形になっていく。

完成した建物は、その積み重ねの最後にある。

だから、写真に写っているものは、建築の一部でしかないのだと思う。

 

 

「木の家が好き」だけでは、家の形は決まらない。

 

例えば、木を使った家が好き。
コンクリートの家が好き。
白くてシンプルな家が好き。
タイルを使った家が好き。

そういう好みは、家づくりではもちろん大切なものだと思う。

でも、それだけで家の形が決まるわけではない。

同じように「木が好き」という人でも、どんな土地で暮らすのか、どんな家族構成なのか、家の中でどんな時間を過ごしたいのかによって、必要になる建築は変わってくる。

だから、素材や形は、最初から決まっている「建築家の味」ではなく、その家のために選ばれた結果でもある。

もちろん、設計する人によって考え方は違う。
その違いは、完成した建物にも表れる。

ただ、それを単純に「木の家が得意」「コンクリートが得意」と見るだけでは、その建築に至った背景までは見えてこない。

 

 

一軒ごとに、違う家になる。

 

CONTAINER DESIGNのWORKSを続けて見ていると、一軒ごとにずいぶん違うことに気づく。

木を使った家もあれば、左官やコンクリートが印象に残る家もある。

中庭のある家もあれば、斜面や高低差をそのまま受け入れた家もある。

密集した住宅地の中で光を考えた家もあれば、周囲の景色を暮らしの中に取り込んだ家もある。

一つの「CONTAINER DESIGNらしい形」を繰り返しているわけではない。

それぞれの家に、それぞれ違う条件があった。

暮らす人が違い、土地が違い、周囲の環境が違う。

だから、できあがる建築も違ってくる。

例えば、土地の高低差を無理に消すのではなく、その高低差そのものを建築の方向性として考えた家もある。

CONTAINER DESIGNのWORKSを見てもらうと、そうした違いはわかりやすいかもしれない。

でも、その違いは「作風がない」ということではない。

むしろ、違う条件を受け取り、それぞれに建築として答えていった結果として、違う家になっている。

 

 

建築家の「作風」を見るということ。

 

設計事務所を探すとき、WORKSを見るのは当然のことだと思う。

自分が好きだと思える家があることも大切だ。

ただ、その写真を見ながら、もう一歩だけその奥を見てみる。

この家は、なぜこうなったのだろう。

どんな暮らしを受け取って、この形になったのだろう。

この土地だから、この窓になったのだろうか。
この家族だから、この場所に庭をつくったのだろうか。

そう考えてみると、建築家の「作風」と思っていたものとは、少し違うものが見えてくる。

それは、建物そのものではなく、建物をつくるときの考え方かもしれない。

土地を見る視点もそうだと思う。

以前、「建築家と土地を探すという選択」という記事を書いた。

土地を決めてから建物を考えるのではなく、土地を見るところから建築を考える。

そうした考え方もまた、完成した建物の写真だけからは、なかなか見えないものだと思う。

 

 

「好きな家」と「つくってほしい家」は、少し違う。

 

「この家が好きだから、この建築家にお願いしたい」

そこから家づくりが始まることは、もちろんある。

好きだと思える建物に出会うことは、とても大切な入口だと思う。

ただ、家をつくることを考えたときには、もう一つ別の見方もある。

自分たちの暮らしを、この人ならどう建築にするのだろう。

自分たちがまだ言葉にできていないことを、どう受け取るのだろう。

土地の条件や予算、生活の中にある小さな希望を、どう整理して形にしていくのだろう。

そういうところまで含めて、

「この人と家をつくってみたい」

と思えるかどうか。

「好きな家をつくっている人」と、
「自分たちの家をつくってほしい人」は、少し違うのかもしれない。

 

 

写真の向こう側にあるもの。

 

完成した建物を見ることは、楽しい。

外観の形や素材、窓のつくり方、庭との関係を見ることで、その設計事務所が大切にしていることが伝わることもある。

だから、WORKSを見ることは、家づくりを考えるうえで大切なことだと思う。

ただ、その写真の向こう側には、その家に暮らす人がいて、その土地があって、そこに至るまでの時間がある。

そして、その一つ一つを受け取りながら、建築にしていく仕事がある。

作品から見えるものだけではなく、作品になるまでに何があったのか。

そこにも少し目を向けてもらえたら、建築を見ることも、設計事務所を選ぶことも、少し違って見えるのかもしれない。

 

コンテナデザイン きしもとたかのぶ

 

 


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