植物と暮らす家
植物好きなご主人。
本好きな奥さま。
ご主人の夢が叶うなら、どんな家でもいい。
打ち合わせの中で、そんな言葉が印象的だった。
敷地は愛知県丹羽郡にある旗竿地。
周囲を住宅に囲まれながらも、南側には田畑が広がる、少し特殊な環境だった。
閉じれば落ち着く。
開けば景色と光が入る。
ただ、その“開く”は同時に、周囲からの視線や環境の干渉も受け入れることになる。
この住宅では、その境界を単純な壁やカーテンで処理するのではなく、植物が暮らす場所そのものを中間領域として計画した。
2階には、植物が光の中で育つ場所を。
その1階には、家族が自由に使える軒下的な土間空間を。
植物のための環境と、人が心地よく暮らす環境。
それぞれを分けるのではなく、同じ空間の中でどう共存させるかを考えている。
植物が暮らす場所と、人が暮らす土間空間は、視線や日射、風を調整しながら、屋内と屋外の間をゆるやかに繋ぐ中間領域となっている。
その場所で、子供たちは家の中にいながら外遊びを楽しみ、奥さまは読書をし、その横でご主人は植物の手入れをする。
それぞれが好きな時間を過ごしながらも、家族の気配を近くに感じられる。
建築を強く閉じるのではなく、環境との関係を少しずつ整えていく。
植物を通して、家族の距離感をゆるやかに繋ぐ住まいとなった。
■建築地 :愛知県丹羽郡
■用途 :住居
■構造・規模:木造2階建て
■敷地面積 :278.81 m2
■建築面積 : 56.10 m2
■延べ床面積:109.76 m2
■1階床面積 : 56.14 m2
■2階床面積 : 53.62 m2
■外壁 :ガルバリウム鋼鈑、ポリカーボネート
■屋根 :ガルバリウム鋼鈑
■内部床 :アカシア、モルタル
■内部壁 :EP塗装
■内部天井 :EP塗装
■撮影 :冨田英次
