
ここ最近、不思議なくらい斜面地のご相談が続いています。
土地を選ばれた理由を伺うと、
景色が気に入った、緑が豊かだった、借景が美しかった、立地に惹かれたなど、その理由はさまざまです。
確かに斜面地には、平坦な土地にはない魅力があります。
その場所にしかない風景や空気感は、住まいに豊かな時間を与えてくれます。
一方で、設計する側から見ると、決して簡単な敷地ではありません。
高低差への対応や造成計画、構造、そして建築コスト。
考えなければならないことは数多くあります。
そんな相談が続く中で、自分が毎回ほとんど同じことを口にしていることに気付きました。
「どこに建築の足が立つだろう。」
今回は、その言葉について少しお話ししたいと思います。

現地へ行くと、まず図面より先に土地を歩きます。
どこから風が抜けるのか。
どこに光が落ちるのか。
どこから景色が広がるのか。
雨はどちらへ流れていくのか。
そんなことを一つずつ確かめながら、その土地が持っている特徴を探していきます。
斜面地は平坦な土地よりも情報量が多く、少し立つ場所が変わるだけで見える景色も風もまったく違ってきます。
だからこそ、建物の形を考えるより先に、土地そのものを理解する時間が必要になります。

建築は、好きな場所へ自由に置けるものでもありません。
もちろん法規や構造、造成計画といった現実的な条件もあります。
しかし、それ以上に大切なのは、その土地が自然に建築を受け止めてくれる場所がどこにあるかです。
地形を見ながら、景色、光、風、そしてそこで暮らす人の時間を重ね合わせていく。
すると、不思議なくらい「ここだ」と思える場所が見えてきます。
私はその感覚を、
「建築の足が立つ」
と表現しています。

斜面地だからといって、すべてを造成して平らにすればいいわけではありません。
もちろん必要な造成はあります。
ですが、地形を消してしまうほど手を加えることが、その土地らしさを失わせてしまうこともあります。
土地には、その土地なりの力があります。
地形があり、風景があり、光があり、その場所だからこその空気があります。
建築は、それに逆らうのではなく、受け止めてもらえる場所を探す。
そうして生まれた建築は、完成した瞬間だけではなく、何年経ってもその土地になじんでいきます。

コンテナデザインでは、
「土地に建物を合わせる」という言葉をよく使います。
それは単に地形に合わせるという意味ではありません。
土地が持っている魅力を読み取り、その場所だからこそ生まれる暮らしを考えることです。
斜面地は決して難しい土地ではなく、可能性をたくさん持った土地でもあります。
だから私たちは、まず「どう建てるか」ではなく、
「どこに建築の足が立つのか」を探すところから設計を始めます。
それが、私たちの考える
「素直に建築する」
ということなのです。
コンテナデザイン きしもとたかのぶ
土地には、それぞれ異なる個性があります。
斜面地や変形地、高低差のある土地も、見方を変えればその土地だけの魅力になります。
土地を見る視点については、こちらの記事もぜひご覧ください。
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はじめて家づくりを考える方には、こちらの記事もおすすめです。
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