名古屋市瑞穂区に計画した、敷地間口4.5mの狭小住宅。
夫婦と子供4人、6人家族が暮らす住まいである。
ヒアリングの際にクライアントから挙がった要望は、
「どこにいても明るいこと」
「狭小地でも広く感じられること」
「動線がすっきりしていること」
そして「中庭のある暮らし」だった。
敷地は住宅が密集する準防火地域、
一般的には3階建てとすることで床面積を確保する計画が多くなる。
しかしこの住まいでは、
生活動線の短さと、家全体に光が行き渡る環境を優先し、
階を重ねる3層構成ではなく、
2層のボリュームに抑える構成を選択している。
また「中庭がほしい」という要望は、
周囲の視線や採光への不安から生まれた言葉であると捉え、
屋外の庭ではなく、
家の内部に“外のような場所”をつくるという方法で応えることにした。
住まいの中央には、
2階まで吹き抜ける土間タイルの空間を設けている。
そこは庭のようでもあり、屋内でもある場所。
周囲を家に囲まれた都市の狭小地であっても、
上部からやわらかな光を取り込み、家の奥まで明るさと広がりをもたらす。
各居室については、
「個室=多機能な部屋」とするのではなく、
寝る場所としての最小限の空間として整理した。
寝る、学ぶ、収納する。
それぞれの行為ごとに場を分けて計画することで、
限られた床面積の中でも
家族それぞれの居場所を確保している。
狭小地という制約の中で、面積を増やすのではなく、
空間の構成によって広がりをつくる。
この住まいは、都市の住宅地においても
光と居場所を確保しながら暮らすための
ひとつの答えとして計画した住宅である。
■建築地 :愛知県名古屋市
■用途 :住宅
■構造・規模:木造2階建て
■敷地面積 : 84.01 m2
■建築面積 : 48.30 m2
■延べ床面積 : 86.90 m2
■1階床面積 : 44.37 m2
■2階床面積 : 42.53 m2
■外壁 :EPS外断熱工法の上Sto塗
■屋根 :ガルバリウム鋼板
■内部床 :アカシア・600角タイル
■内部壁 :クロス
■内部天井 :クロス
■浴室 :FRP防水・タイル貼
■キッチン :造作キッチン
■撮影 :冨田英次
