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資金計画から考える賃貸併用住宅|空間と資産を同時に設計するという視点

2026年03月05日

 

 

資金計画から考える、賃貸併用住宅という選択

 

家づくりでは、間取りや素材と同じくらい資金計画の整理が重要になります。

国土交通省「令和5年度 住宅市場動向調査」によると、注文住宅の平均取得資金は約6,188万円と報告されています。住宅取得は長期的な返済計画を伴う大きな投資であり、建築と同時に資金の構造も整理する必要があります。

このような背景の中で、「住まいをどう建てるか」と同時に、「どう支えるか」を考える視点が求められています。

 

 

賃貸併用住宅という考え方

 

賃貸併用住宅は、自宅部分と賃貸部分を一体で計画する住まい方です。賃料収入を前提とすることで、融資返済の一部として補填し、資金負担を分散させる仕組みを持ちます。

ただし重要なのは、賃貸部分を単に付け足すのではなく、建築として成立させることです。空間の質と収益性が両立して初めて、持続可能な住まいになります。

 

 

空間として成立しているか

 

賃貸併用住宅を計画する際には、次のような点を同時に整理する必要があります。

  • 動線が混在しないこと
  • 音や視線の干渉を抑えられること
  • 将来の用途変更に対応できること
  • 収益性を保てる平面構成であること

資金計画が先行しすぎれば空間の質が損なわれる可能性があります。逆に、空間の理想だけを追えば資金計画が成立しない場合もあります。その両方を同時に整理することが設計の役割だと考えています。

 

 

UTOBLDに見る構造と資産性

 

姫路市網干で計画したUTOBLDは、1階を鉄骨ラーメン構造のテナント、2階を木造のワンルーム賃貸とする構成です。

1階は将来の用途変更や区画変更に対応できるフレーム構造とし、2階は各住戸が専用階段と専用土間を持つ独立した形式としています。

共用廊下型の賃貸形式ではなく、各戸が完結した動線を持つことで独立性を確保しています。これはデザイン上の工夫というよりも、賃貸としての競争力や資産としての持続性を意識した空間構成です。

構造の選択や動線計画は、そのまま建物の資産性に直結します。用途の分節、構造形式の整理、動線の独立は、長期的な価値を支える要素となります。

 

 

空間と資金を分けて考えない

 

賃貸併用住宅は、収益を得るための手法というよりも、「空間をどう組み立てれば資金計画まで含めて成立するか」という問いに近いものです。

住宅取得が高額化している現実の中で、資金計画を建築の外側の話として切り離すことはできません。間取り、構造、動線の整理は、そのまま返済計画や将来の選択肢の整理にもつながります。

UTOBLDは、テナントと賃貸を併設することで、建築の構成そのものが資金計画の一部となるよう設計した事例です。

家づくりを考えるとき、「どんな空間に住みたいか」と同時に、「その空間をどう支え続けるか」を考えること。賃貸併用住宅は、その両方を同時に検討するためのひとつの方法です。

コンテナデザイン きしもとたかのぶ

 

 


建築家展参加のお知らせ

賃貸併用住宅を含む建築設計について、実際の資金設計や敷地条件との関係まで相談できるイベントが開催されます。
詳しくは以下ページをご覧ください。

第2回建築家展  in 広島産業会館

2026年3月7日(土)10:00〜17:00
2026年3月8日(日)10:00〜17:00
会場:広島県立広島産業会館 本館2階

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