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制約のある土地の魅力[変形地編] ―― 形が導く、居場所の関係性

2026年02月06日

制約のある土地の魅力[変形地編]
―― 形が導く、居場所の関係性

 

高台にある、風と景色にひらかれた敷地

 

敷地は兵庫県相生市の高台に位置する。
南北に風が抜け、南には播磨灘を望む、周辺環境に恵まれた場所である。

かつてこの敷地には、長く住み継がれてきた木造住宅と庭があった。
住まい手が変わるたびに、土地は整えられ、暮らしの場が更新されてきた場所でもある。

 

 

 

土地の記憶を、建築の輪郭へ置き換える

 

本計画では、そうした場所性を断ち切るのではなく、
土地に重なってきた時間や記憶を、建築のスケールへと置き換えることを意識している。

地面に近い低い三角屋根と、それを支える斜め柱。
それらは、かつて小高い山であったことを思い出させる輪郭であり、
木陰のような居場所を建築としてつくるための操作である。

南北に抜ける風、屋根越しに感じる海の気配が、
この土地にあった原風景を現在の暮らしへとつなげている。

 

 

変形地という制約を、前提条件として受け止める

 

この住宅の計画において、もう一つの大きなテーマとなったのが、
ヘの字型に折れた変形敷地である。

一般に、変形地は計画の自由度を下げる要因として扱われがちである。
矩形の建物をそのまま当てはめることが難しく、
無理な調整や余剰スペースが生まれやすい。

しかし本計画では、この歪んだ敷地形状そのものを、
空間構成を組み立てるための前提条件として受け止めている。

 

 

 

敷地形状に導かれる、二棟の平屋構成

 

計画では、同じボリュームの平屋を二棟、
敷地の折れに沿わせるように「への字」に配置している。

二つの棟は完全に分離することも、正対することもなく、
わずかな角度を持って向き合う関係性をつくり出している。

 

 

 

パブリックとプライベートを、緩やかに分ける

 

一方の棟にはLDKを中心としたパブリックな生活の場を、
もう一方には寝室と水回りをまとめたプライベートな領域を配置。

その折れ点に玄関を据えることで、
住まいの中に自然な動線の分岐が生まれている。

玄関を起点に、
人を迎え入れる方向と、静かに生活へ戻る方向。
その選択は、敷地形状に導かれるように、ごく自然に立ち上がる。

 

 

 

ずれが生み出す、居場所の奥行き

 

変形地であるがゆえに、空間は一方向に完結しない。
視線や距離感が少しずつずれていくことで、
空間同士の関係性はやわらかく保たれている。

その「ずれ」が、居場所に奥行きと余白を与え、
暮らしの中に多様な居心地を生み出している。

 

土地探しを、可能性から考える

 

制約のある土地とは、条件が足りない土地ではない。
むしろ、敷地の形や癖に目を向けることで、
どのように住まうかを考えるための手がかりを与えてくれる存在である。

土地探しの段階では、整形地や分かりやすい条件の土地が、
「良い土地」として選ばれがちである。

しかし、変形地のように一見扱いにくい土地こそ、
建築の視点が加わることで、その土地にしかない居場所の関係性が立ち上がる。

土地を選ぶことは、完成形を選ぶことではない。
そこにどのような暮らしが重なり得るのか。
その可能性に目を向けることが、土地探しの本質だと考えている。

 

コンテナデザイン きしもとたかのぶ

 

 

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