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制約のある土地シリーズ|うなぎの寝床編

2026年01月27日

制約のある土地シリーズ|うなぎの寝床編
― 阿成の家 ―

 

うなぎの寝床と呼ばれる土地

 

間口が狭く、奥に長い。
いわゆる「うなぎの寝床」と呼ばれる土地は、日当たりが悪く暗くなるイメージがあるのか土地探しの段階で候補から外されてしまうことも少なくありません。

形状、数字だけを見れば、決して扱いやすい土地とは言えません。
ただ、その形には理由があり、周囲との関係があり、そこにしかない条件があります。

 

敷地条件を前提に考える

 

今回取り上げる「阿成の家」は、
間口約6m、奥行約25mという細長い敷地に計画された平屋住宅です。

この敷地に向き合ったとき、まず考えたのは、
土地の細長さに対して、過度に建築で操作してメリットに変換しようとせず、
その細長さを生かして建築に取り込もうとすること
でした。

 

 

細長さを消さないと言う選択

 

細いから広く見せる。
奥に長いから分断する。
そうした「対処」としての設計ではなく、
この土地のプロポーションを前提条件として受け止めること。

制約のある土地ほど、設計者の姿勢がそのまま空間に表れます。
だからこそ、余計なことはせず、できるだけ素直に建築することを意識しました。

 

大きな箱と小さな箱

 

建物は、大きな一つの箱として構成しています。
その内部に、用途ごとの小さな箱を点在させるように配置しました。

部屋を壁で細かく区切るのではなく、
箱と箱のあいだに生まれる余白を住空間として捉える。
そうすることで、細長い敷地の中でも、視線や動き空気が滞らない構成になります。

 

 

奥行きがつくる空間の連なり

 

「広さ」をつくるのではなく、
「奥行きと連なり」をつくる。
うなぎの寝床と呼ばれる土地では、この考え方が自然にフィットします。

 

 

周辺の環境を取り込む

 

この敷地の東側には川が流れています。
一見すると扱いにくい条件にも見えますが、川の上空は風の道になっています。
この家では、その環境を前提として建築を組み立てました。

箱の高さにわずかな差を設けることで、
風が通り、光が落ちる。
特別な仕掛けを設けるのではなく、
敷地条件に素直に応答させることで、結果として快適な環境が生まれています。

 

素材がつくる住まいの性格

 

素材についても、特別な主張はしていません。
モルタル、木、ガルバリウム鋼板。
それぞれが持つ性質を、そのまま空間に使っています。

倉庫のようでもあり、住宅でもある。
この曖昧さは、意図的につくったというより、
敷地条件と向き合った結果として、自然に立ち上がってきた性格です。

 

土地探しの視点として

 

土地探しの相談を受けていると、
「この土地は難しいですか?」と聞かれることがあります。

制約があるかどうかよりも、
大切なのは、その土地とどう向き合えるかだと考えています。

条件の良し悪しで判断するのではなく、
土地の形や環境を読み取り、
そこに素直に建築を重ねていく。

 

制約があるからこそ

 

阿成の家は、
うなぎの寝床という敷地条件があったからこそ、
この構成、この距離感、この空間になりました。

制約のある土地は、選択肢を減らしてくれます。
その分、建築は迷いにくくなり、
住まいとしての本質に近づいていきます。

土地探しの段階で「難しそうだ」と感じたとき、
その感覚を一度立ち止まって見つめ直してみてください。
そこにこそ、建築のヒントが隠れているかもしれません。

 

コンテナデザイン きしもとたかのぶ

 

 

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