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狭小地の家は3階建てしかない?建築家が考えたもう一つの答え|瑞穂区の家

2026年03月19日

 

 

狭小地の家は3階建てしかない?建築家が考えたもう一つの答え

 

都市部で家づくりを考えているクライアントから、よく聞かれる言葉があります。

「この敷地だと、2階リビングの3階建てになりますよね?」

住宅が密集する都市部では、敷地の広さを補うために3階建ての住宅が一般的な選択肢として考えられることが多くあります。

今回紹介する「瑞穂区の家」も、間口4.5mという都市部らしいコンパクトな敷地に建つ住まいです。

しかしこの家は、あえて2階建てで計画しました。

狭小地の家づくりは、本当に3階建てしか選択肢はないのでしょうか。

 

 

 


家づくりの要望はとてもシンプルでした

 

この住まいは、夫婦と子供4人の6人家族のための住宅です。

ヒアリングで挙がった要望はとてもシンプルでした。

  • どこにいても明るい家
  • 狭小地でも広く感じること
  • 動線がすっきりしていること
  • 中庭のある暮らし
  • 家族それぞれの居場所があること

都市住宅としてはよくある条件ですが、都市部の住宅地では準防火地域に指定されているエリアが多くあります。

今回の敷地もその一つでした。

つまり特別に珍しい条件というわけではなく、都市部で家づくりを考えると多くの場合向き合うことになる前提条件です。

 


準防火地域で3階建てにするとどうなるか

 

準防火地域で木造3階建ての住宅を計画する場合、準耐火構造とする必要があります。

柱や梁の仕様、壁や天井の構成、使用する建材などを準耐火仕様として計画していく必要があります。

さらに見落とされがちですが、構造だけではなく基礎も3階建て仕様になります。

建物が1層増えるということは、単純に面積が増えるだけではなく、構造仕様・材料・基礎まで含めて

建物全体のコスト構成が変わるということでもあります。

 

 


面積を増やすのではなく、空間を考える

 

今回の計画では、3階建てにして床面積を増やすのではなく、2階建てのボリュームに抑えるという選択をしました。

その代わりに考えたのが、家の中心につくった中庭のような吹き抜け空間です。

家の中に設けたこの空間が、上部から光を取り込み、住まい全体に明るさと広がりをもたらします。

そして2階建てに抑えることで、暮らしの中心となるLDKを1階に計画することができました。

家族が自然と集まる明るく開放的なリビング。玄関からの動線、キッチンを中心とした家事動線、

家族が集まる生活動線をそれぞれ最短距離で暮らしにつなげることができています。

階を重ねて床面積を確保するのではなく、空間の構成によって暮らしを整える。

この住まいは、狭小地という制約の中で住まい方から逆算して計画した住宅です。

 

 


個室は最小限に、居場所は最大限に

 

6人家族となると、個室の数だけでもかなりの面積が必要になります。

そこで今回の住まいでは、個室を「多機能な部屋」として考えるのではなく、寝るための最小限の場所として整理しました。

その代わりに、勉強する場所、収納する場所、家族で過ごす場所といった行為ごとに空間を分けて計画しています。

こうすることで、限られた床面積の中でも家族それぞれの居場所が生まれます。

 

 


都市の狭小地でも、光のある暮らしはつくれる

 

家づくりを考えるとき、面積や部屋数を増やす「足し算」で考えることが多いかもしれません。

ですが建築では、空間の構成を変えることで暮らしの質を整えることもできます。

敷地の条件は変えられません。けれど、空間のつくり方は変えることができます。

都市の住宅地でも、光と居場所のある住まいをつくることはできる。この家は、その一つの答えとして計画した住まいです。

 

 


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