2025年の注文住宅動向から見えてくるもの
— “数字”の裏にある、暮らしの本音 —
毎年のことですが早いものでもう師走、年の瀬が近づいてきました。
2025年になり、家づくりをめぐる状況はさらに大きく変わりつつあります。物価の変動、建築費、働き方の多様化などさまざまな要因が重なり、これまで以上に「自分たちにとって心地よい暮らしとは?」が問われる時代になりました。
では今、家を建てようとしている人たちは、どんな考え方で家づくりを見つめ直しているのでしょうか。リクルートが11月18日に発表した「2025年 注文住宅動向・トレンド調査」の最新データをもとに、“本音の傾向”を読み解いてみます。
2025年データが示す “本音の家づくり”
1. 「必要な広さ」を丁寧に見直す流れ
2024→2025年にかけて、「コンパクトな間取りを選ぶ」と回答した人は約32%で過去最多。
その理由の上位は以下です。
- 光熱費を抑えたい:47%
- 掃除や管理が楽になる:41%
“家を小さくする” というより、「自分たちにちょうどよい広さとは何か」を見直す動きが進んでいます。
2. 「素材・性能重視」は堅調に増加
断熱等級5以上を希望する割合は、
2020年:約12% → 2025年:約36%
と大きく伸びています。その理由として、62%が「長く住める家にしたい」と回答。
性能は数値で語られることが多いですが、その背景には「手をかけながら育てていける家にしたい」という本音があります。
3. 情報源はSNSが主流、でも“疲れた”と言う声も増加
- SNSを参考にする:72%
- 情報が多すぎて迷う:58%
SNSは便利な一方、“正しい情報”=“自分に合う情報”とは限らないというギャップがストレスにもつながっています。
広さでも、特別さでもなく
“ちょうどいい暮らし”を探す時代へ
これらの数字から見えてくるのは、何かを削るとか、贅沢を避けるという話ではありません。「自分たちにフィットする暮らしの基準を見つけたい」という前向きな価値観です。
家は大きさや派手さを競うものではありません。
- 無駄を取り除くと、暮らしやすさが残る
- 大げさにしないけれど、丁寧に選ぶ
- “なんとなく”ではなく、“しっくりくる”を大切にする
そんな住まいづくりへの意識が、2025年の家づくりの軸になりつつあります。
無理に“特別さ”を盛り込むでもなく、
自分たちの暮らしにしっくりくる心地よさの基準を見つけていく
これは家づくりの本質そのものだと感じています。数字やデータは大切ですが、家というのは“論理”と“感覚”のどちらか一方では語れません。
- 性能は暮らしの土台
- 心地よさは日々を豊かにする余白
- どちらも欠かせない
そのバランスの中に、自分らしい住まいの形があります。
建築家としてできること
情報があふれる時代だからこそ、“自分たちに合う判断基準”を整理する役割が建築家にはあると考えています。
- 数字の意味をわかりやすく翻訳する
- 希望と現実のバランスを無理なく整える
- 敷地や環境のポテンシャルを見つける
- 漠然とした理想を“かたち”にする
家づくりは決して迷路ではありません。
一緒に歩けば、光の射す出口が必ず見えてきます。






