container design
NEWS
HERE ARE THE ARCHITECTURAL WORKS DESIGNED BY
CONTAINER DESIGN TAKANOBU KISHIMOTO
IN MANY PARTS OF JAPAN.

UTOBLD

2026年03月03日

本計画は、姫路市網干における区画整理事業に伴い移転する不動産会社のテナントと、上階にワンルーム賃貸を併設した複合用途建築である。

用途はテナント2区画+賃貸3戸というシンプルな構成であるが、計画にあたり重視したのは、それぞれの用途が求める空間の性質を整理し、構造・動線・領域のつくり方によって明確に分節することであった。

1階は将来的な用途変更や区画の再編にも対応できるよう、鉄骨造ラーメン構造を採用している。外周を明快な柱梁フレームで構成し、内部は極力フリーな平面とすることで、テナントの使い方に柔軟性を持たせている。区画整理という都市更新の流れの中で、建築側も可変性を備えた器であることを意図した。

一方、2階はワンルーム賃貸3戸で構成し、構造は木造としている。テナントとしての合理性を求めた下階に対し、上階は人が滞在する場としてのスケールや質感を重視し、構造形式を切り替えることで用途の性格を明確にしている。

本計画の大きな特徴は、各住戸に専用階段を設けた点にある。一般的な賃貸住宅では、共用階段や共用廊下を介して各住戸へアクセスする形式が多いが、本計画ではそれぞれが独立した動線で2階へ上がり、専用の土間空間を経て住戸内へ入る構成とした。

共用動線を最小限とし、住戸ごとに完結したアプローチを与えることで、賃貸でありながら戸建てに近い独立性を確保している。動線の整理は、単に利便性の問題ではなく、心理的な領域の明確化にもつながると考えている。

各住戸前に設けた専用土間は、内部と外部の間に位置する緩衝領域である。明確な用途を固定せず、住まい手の使い方に委ねる余白として計画している。住居としてだけでなく、仕事や活動の拠点としても成立し得る構成とすることで、単一用途に閉じない空間の可能性を持たせている。

外観は、構造の違いを素直に表現しながら、過度な造形操作は行っていない。鉄骨フレームによる整然とした下階と、ボリュームを分節した上階の構成により、用途の重なりをそのまま建築の表情としている。

UTOBLDは、テナントと賃貸という一般的なプログラムに対し、構造の選択と動線計画によって空間の質を再整理した計画である。

賃貸という形式の中に個別性と自由度をどのように内包できるか。その問いに対する一つの応答である。

 

■建築地  :兵庫県姫路市
■用途   :長屋
■構造・規模:1階鉄骨造+2階木造
■敷地面積 :235.00 m2
■建築面積 : 88.62 m2
■延べ床面積:166.91 m2
■1階床面積 : 86.26 m2
■2階床面積 : 65.57 m2
■外壁   :ガルバリウム鋼板
■屋根   :ガルバリウム鋼板
■内部床  :モルタル押さえ・突板オークフローリング
■内部壁  :クロス
■内部天井 :クロス
■浴室   :シャワーユニット
■キッチン :ミニキッチン既製品
■撮影   :冨田英次