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制約ある土地の魅力[高低差編]— 制約があるから、心地いい家ができました

2025年12月19日

制約ある土地の魅力[高低差編]— 制約があるから、心地いい家ができました

 

「制約のある土地の魅力」シリーズの続編です。
今回のテーマは “高低差のある土地”
一見すると難しそうな土地でも、視点を変えると、そこにしかない心地よさが見えてきます。

岐阜県可児市。
やわらかな山並みと、季節ごとに変化する緑を近くに感じる住宅地で、
長くこの土地で暮らしてきたご家族の建て替え計画が始まりました。

敷地は北と西に面した角地で、道路とは最大2mほどの高低差があります。
北東側には昔から使われてきた掘り込みガレージ、その上にはご両親の倉庫。
石積みと樹木が重なり合う北西の風景も、とても印象的でした。

初めて現地に立ったとき、
この土地には“扱いにくさ”と同じくらい、
ここにしかない表情や、積み重ねられた時間があると感じました。


 

土地の条件が、自然と暮らしのかたちを決めてくれる

 

ご家族が望まれたのは、
外の気配を感じながらも、明るすぎない柔らかな光の中で暮らすこと。そして、ご両親とはお互いを思いやれる距離感を保ちたいということ。

高低差や既存物、ご両親との近さ。
一見すると複雑な条件も、住まいの置き場所を導いてくれるヒントになりました。

  • 掘り込みガレージは新しいRCガレージとして活かす
  • 北西の石積みと緑は、ダイニングから眺められる窓辺に
  • ご両親の玄関と重ならないよう南西は収納やバックヤードに
  • ご両親の敷地へ自然に行き来できる位置に新たな倉庫を

それぞれの要素が、
ちょうどいい居場所を見つけていくような時間でした。


 

四つの方向をつなぐ、“軒下”というやさしい場所

 

土地に素直に沿って計画していくと、
四つのスペースが自然と敷地の四方を向きました。それらをゆるやかにつないでくれるのが、
家の中心にある 軒下のリビング です。

軒下は、外でも、中でもない場所。
明るすぎず、暗すぎず、光がふんわり混ざるところです。

四方のスペースで起きる暮らしの気配が、
この場所にすっと集まってくるような感覚。

家族が自然と外に意識を向けながら過ごせる、
穏やかな住まいになりました。


 

制約があるからこそ、その土地らしい家になる

 

高低差、既存の建物、ご両親との距離。
それらは不便さではなく、暮らしの輪郭でした。今回の住まいは、その輪郭を大切にしながら形にした家です。

制約があるからこそ、
向き合い、考え、
ここにしかない住まいが生まれます。

この軒下の家が、土地の光や風とともに、
これからの時間をやさしく育んでいけることを願っています。

コンテナデザイン きしもとたかのぶ

 

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